Cube with Eye (2018 – 2019)

 

《Cube with Eye》は、美術作品を鑑賞するための空間とは何かという問題に対して、美術と建築の二つの領域にまたがって向き合い続けてきた菅が2018年から2019年にかけて取り組んだ作品である。ここでは、20 世紀以降の美術館やギャラリーの展示空間として全世界的に採用された特有の建築様式であるホワイトキューブのマトリクス(母型・祖型)を創出する試みが行われている。

本作において菅は、外部と完全に遮断されたキューブ状の金属製装置を、ドイツの展示ケースメーカー「グラスバウハーン社(GLASBAU HAHN)」の制作協力に基づいて開発した。文化財保存学や博物館学などを踏まえて、キューブ内部の温度・湿度を一定に保つことだけに留まらず、その空間を窒素で満たすなど、可能な限り作品を劣化させる外的要素を排除した環境を構築することを目指し、その内部の様子を監視カメラを用いて観測する。

2019年にswitch point(東京)で行われた展覧会では装置を24時間稼働させ、そのキューブ内の状況を計測・記録するとともに、制作過程の設計図面《Plan for Cube with Eye》や毛髪式自記記録計を用いてキューブの内外の空間の温度・湿度の対照を示す《20°C / 50%》を展示し、さしずめ実験室の様相を呈するインスタレーションを展開した。

 

 

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Cube with Eye

2019
945mm×945mm×945mm
Mixed media
Assisted by Glasbau Hahn Japan
Photo: Kan Kato

 

 

 

 

 

 

Plan for Cube with Eye, 2019/08/07_01

2019
594.1mm×420.2mm
Assisted by Glasbau Hahn Japan

 

 

Plan for Cube with Eye, 2019/08/07_02

2019
594.1mm×420.2mm
Assisted by Glasbau Hahn Japan

 

 

 

20°C / 50%
2019
28.8cm×17.8cm (Right: Thermohygrograph chart)
Hygrothermograph and ink on thermohygrograph chart
Photo: Ken Kato